1、培養ニワトリ胚DRG neuronは、十分量のニューロトロフィン添加状態で、シスプラチン、ビンクリスチン、タキソールなどの抗ガン剤などに極めて感受性が高く、細胞死が起こる。そのような培養に20nMのラディシコールを加えると効果的に細胞死が抑制された。 2、最近、ラディシコールやゲルダナマイシンの細胞内の標的がヒートショック蛋白質HSP90で、その阻害を起こす可能性が報告されている。今回、低濃度(2nM)のゲルダナマイシンが、ニューロトロフィンの添加、無添加状態で、ラディシコールと同様に、ニワトリDRG neuronの培養に栄養因子作用を示す事実を認めた。しかしゲルダナマイシンは、より高濃度(5nM)では、細胞毒性が強い。 3、ラディシコール、ゲルダナマイシンそれぞれの効果的な濃度を同時添加した場合にも、細胞毒性が認められた。これらの薬物の類似した神経栄養因子作用は指摘されているごとく、同一の標的HSP90に対する作用である可能性を示唆している。
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