研究概要 |
ラット皮質切除モデルを用い,線条体,視床など線維連絡を持つ部におけるin vivoでの入力遮断による二次的変性機序及びこれに伴う再生過程を検討してきた.(Brain Research,765:319-323,1997など)本研究では,その詳細を更に検討しているが,平成11年1月現在までに以下の事が明らかとなっている. #二次的変性にアポトーシスの関与を示唆する結果を得ていたが,現在までのところPARP,CPP-32などアポトーシス関連酵素の有意な発現は認められていない. #変性過程にある神経細胞を検知できる新しいマーカーであるFluoro-Jadeを用いた検索では,従来の部位より広い範囲で変性神経細胞の所見が得られた. #変性部位では,シナプスにおいて軸索の再生を抑制するとされているHPC-1の発現が有意に減少していた. #bFGF等の発現はGFAPの発現と平行しており,反応性アストログリオーシスの重要性が示唆された. 現在,TGFα,TGFβの局所投与によってアストログリオーシス及び反応性マイクロダリアの発現をコントロールすることが,上記の所見がどのように変化するかを検討している.さらにTGFα過剰発現トランスジェニックマウスを用いての検討を準備中である.
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