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2000 年度 実績報告書

生体の筋・神経系における運動単位制御原理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680787
研究機関東北大学

研究代表者

二見 亮弘  東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20156938)

研究分担者 加納 慎一郎  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00282103)
渡辺 高志  東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90250696)
星宮 望  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005394)
半田 康延  東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (00111790)
キーワード筋収縮モデル / 筋小胞体 / カルシウムイオン / ウェーブレット変換 / 多重解像度分析 / クラスター分析 / 波形分類 / 活動電位
研究概要

機能的電気刺激による運動機能再建を制御対象のモデルに基づく合理的なものにするために,筋繊維の収縮ダイナミクスに含まれる時変性・非線形性を詳細にモデル化する必要がある。我々は,筋繊維を構成する筋小胞体でのカルシウムイオン放出と取り込みに注目し,筋繊維の活性化モデルをCaイオン濃度ダイナミクスのレベルで作成した。モデルはCa誘導型Ca放出(CICR)チャネルを含み,内部的正帰還効果のため安定平衡点が2つ存在する。低濃度から高濃度への平衡点遷移は,高頻度の刺激パルスで生じ,強化現象に対応する。CICRチャネルはその後,数秒間かかって低濃度の安定平衡点(不活性状態)に戻る。また,長時間刺激の後では刺激パルス列に追加された単一のパルスによってその後の筋張力が数秒間増強されるという,保持効果を再現した。
一方,筋の構成要素である運動単位における動的機能配分を生体で実験的に調べるための基礎技術として,運動単位活動電位の集合である筋電図から個々の活動電位を分離できる信号処理方法について検討した。具体的には,ウェーブレット変換による多重解像度分析を用いて,信号中の活動電位の発火時刻と波形を統計的に合理的な方法で推定する方法を確立した。また,そのようにして分離・検出された個々の活動電位を波形の類似度に基づいてグループ化して脳による神経制御の原理を推定することをねらい,階層的クラスター分析に新しい評価関数を導入して,観測者の主観的判断を必要としない波形分類を可能にする方法を確立した。これらの方法の妥当性の確認は,家兎の末梢神経束周辺から誘導した記録波形の分類に適用することで行った。筋力の大きい時の表面筋電図のように時間的重畳が激しい場合の活動電位分類については,さらに今後の検討が必要であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] G.Otazu,R.Futani,N.Hoshimiya: "A Muscle Activation Model of Variable Stimulation Frequency response and Stimulation History, Based on Positive Feedback in Calcium Dynamics"Bioligical Cybernetics. 84・3. 193-206 (2001)

  • [文献書誌] H.Nakatani,T.Watanabe,S.Ohba,R.Futami,N.Hoshimiya,Y.Handa: "Simulation Study of a Method for Detecting Nerve Action Potentials from Noisy Neural Signal."Proceedings of International Workshop on FES. 18-19 (2000)

  • [文献書誌] G.Otazu,T.Watanabe,R.Futami,N.Hoshimiya: "The Effects of Low Frequency Stimulation in the Monosynaptic Reflex Studied using the H-Reflex."Proceedings of International Workshop on FES. 22-23 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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