円筒衝撃圧縮法による金属インプラント材表面の多孔質化

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10680797
• 研究機関: 熊本大学
• 研究代表者: 千葉 昴 熊本大学, 工学部, 教授 (90005322)
• キーワード: 衝撃波 / 生体材料 / 多孔質化 / インプラント材 / 人工骨

研究概要

本研究は多孔性チタン合金と金属材料との生体用複合材料の創製に関する研究の一つであり、人工歯根や人工関節を体内に埋め込む際、インプラント材表面を多孔質化することによりインプラント材と骨との結合性を高めることを目的とした研究である。
本年度は表面部材にチタン及びマグネシウムの混合粉末を用い多孔性インプラント材表面の空隙率向上及び得られた多孔性インプラント材表面部の接合強度について検討した。
チタン粉末として、プラズマ回転電極法により作製した440μm、610μm及び1mmの3種類を用い、600μm直径のマグネシウム粉末と7:3の割合で混錬し、5mm直径のチタン棒の周囲にこの混合粉末をセットし、水を圧力媒体として、円筒衝撃圧縮法により、チタンと混合粉末との生体用複合材を作製し、その後、真空中で900゜C-2hの熱処理により、マグネシウムを蒸発・飛散させ、さらに1000゜C-2hの燒結を行った。その結果、用いたチタン粉末の粒径が増加するにつれ、空隙率が増加し、1mm直径のチタン粉末を用いた場合、21.1%の表面空隙率をえた。この複合材のチタン棒と粉末部分とのせん断強度は150MPa、粉末部分同士のせん断強度は90MPaとなり、骨のせん断強度の60MPaを上回り、十分な強度及び空隙率が得られた。

研究成果

• [文献書誌] 千葉 昴: "Fabrication of porous titanium composite for medical implants by explosive compaction"Proc.of 8^<th> Int.Conf.on Processing and Fabrication of Advanced Materials. (in print). (2000)
• [文献書誌] 吉村国浩: "Fabrication of hydroxyapatite/Ti composites by underwater-shock compaction"Proc.of 8^<th> Int.Conf.on Processing and Fabrication of Advanced Materials. (in print). (2000)
• [文献書誌] 光 潤一郎: "Fabrication of Mo/Cu functionally graded materials by underwater-shock compaction"Proc.of 8^<th> Int.Conf.on Processing and Fabrication of Advanced Materials. (in print). (2000)
• [文献書誌] 千葉 昴: "Structure and strength of bonding interface in explosively-welded Ti/steel clads"Impact Response of Materials&Structures,Oxford University Press. 289-294 (1999)
• [文献書誌] 友重竜一: "Effect on addition of titanium diboride to titanium carbide produced by the SHS/shock consolidation method"J.Materials Processing Technology. 85. 105-108 (1999)
• [文献書誌] 友重竜一: "High-temperature-shock compaction of ceramics/silicide composites produced by combution synthesis"J.Materials Processing Technology. 85. 100-104 (1999)