研究課題/領域番号 |
10680802
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
廣瀬 稔 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50286382)
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研究分担者 |
渡辺 敏 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (40050463)
小林 弘祐 北里大学, 医学部, 講師 (70153632)
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キーワード | 一酸化窒素吸入療法 / 一酸化窒素(NO) / 酸素セーバー / 慢性呼吸不全 / 在宅酸素療法 |
研究概要 |
本研究は平成10年度からの継続研究である。平成10年度に開発した試作器(呼吸間隔依存形)の安全機構および性能等の試験を行い、それぞれについて検討した。また新たに任意に任意設定形(R_SW1可変形)の試作器の作成にも着手し、それらをもとに今後の本研究課題等について検討した。実験方法は、呼吸間隔依存形試作器の性能試験ために、モデル肺と模擬上気道および人工呼吸器を用い自発呼吸を模擬し、各安全機構(ガス供給異常、電磁弁開閉異常など)の作動を確認した。また各電磁弁およびガス供給圧の出力部を作成し、各々のタイミングを把握した。性能試験は自発呼吸模擬回路に酸素およびNOガスを供給し、呼吸回数、吸気流速、一回換気量等を変化させ、各々の状態におけるNO濃度の理論値と実測値および発生するNO_2濃度について測定した。結果は、装置の安全機構は二重の安全を備えた機構であるため動作的な安全面では問題はない。性能試験では一回換気量および吸気流速の変化によるNO濃度の変化は理論値に近いものとなったが、呼吸回数の変化によるNO濃度は、呼吸回数の増加に従い理論値との差が大きくなった。この原因は装置内チューブ類のコンプライアンスによるチュービング効果によるものと判明し、対策としてチューブを硬質のものに変更することや装置のガス出口(鼻カヌラ接続部)の改良により対策できることが分かった。また各項目でのNO_2の発生は非常に低く、実用化に向けた試作器が開発できたものと考える。今後の検討は、試作した2種類の装置の臨床応用を目指し、電磁波障害への対策や装置内配管の材質、性能などについて再度安全試験、NOボンベの容量や充填NO濃度の検討を使用時間等を考慮して検討する必要がある。また実際に使用すると思われる環境への汚染の程度についても検討する必要がある。なお本研究の成果を日本医科器械学会および日本エム・イー学会秋季大会で発表した。
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