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1998 年度 実績報告書

現象学と心理学における空間知覚の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10710001
研究機関岩手大学

研究代表者

小林 睦  岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (20292170)

キーワード空間表象 / 現象学 / フッサール / ヘルムホルツ / ヘリング / 心理学主義 / 実証主義 / 19世紀
研究概要

本年度は、「空間表象(Raumvorstellung)」を主題に19世紀後半の哲学者や科学者が行なっていた議論を振り返り、そうした中で現象学がどのような役割を果たしたかを点検するという作業を行なった。具体的には、イギリス経験論に由来するヘルムホルツの空間論と新カント派の流れを汲むヘーリングの空間論との対立を展望しながら、フッサールの「空間表象」概念がその成立過程で担っていた時代的意義を明らかにすることを通して、フッサールの「空間」概念を検討した。ヘルムホルツの知覚説が分析的・実験主義的な感覚・知覚二元論であるとすれば、ヘリングのそれは我々の体験に定位した現象-元論である。これら二つの学説に対しては、ヘリングの見解を退け、ヘルムホルツの説を容認するというものが有力であったが、数学者のH.ワイルなどに見られるように、経験主義的な感覚・知覚二元論と現象主義的な知覚-元論との対立を調整しようという問題意識が、19世紀的から20世紀にかけて生じてきている。本年度の研究においては、そうした世紀の転換期に登場したフッサール現象学が、心理主義を厳しく批判することによって心理学主義的な立場から現象学的な立場への「転回」を試み、その後の実証主義科学のあり方に大きな影響を及ぼした経過を明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小林 睦: "空間表象という問題圏-十九世紀とフッサール" 理想. 661号. 44-56 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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