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1999 年度 実績報告書

単語の読みの過程における空間的・時間的な視覚情報処理に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10710021
研究機関北海道大学

研究代表者

懸田 孝一  北海道大学, 文学部, 助手 (70281764)

キーワード読み(reading) / 単語認知(word recognition) / 文字認知(letter recognition) / 空間周波数(spatial frequency) / 空間周波数フィルタ(spatial frequency filter) / 語彙的文脈(lexical context) / 漢字(kanji)
研究概要

今年度の研究では,漢字の文字および単語の認知において,その文字や単語がもつ視覚情報の一つとしての空間周波数成分と,語彙的な文脈情報の有無がどのような関係にあるかを調べた.前年度の研究で得られた結果(漢字の文字,単語,非単語を,ローパス型空間周波数フィルタをかけて呈示することによって,それぞれを認知するのに必要な空間周波数成分を測定した)を考慮して,4,5,6,7,8cycle/characterのカットオフ周波数のローパス型空間周波数フィルタをかけた文字および単語とフィルタをかけない文字および単語を呈示し,それぞれの呈示時間に関する認知閾(以下,時間閾とする)を測定・比較した.
この結果,7,8cycle/characterのカットオフ周波数のフィルタをかけて呈示した文字や単語の時間閾とフィルタをかけない文字や単語のそれとの間には差がないことが確認された.また,カットオフ周波数が6cycle/characterより小さくなるにつれて,単語の時間閾が文字のそれよりも低くなることが確認された.つまり,漢字の文字や単語に7cycle/character程度までの空間周波数成分が含まれていれば,それらは同じ程度の時間(およそ30msから40ms)で認知され,単語の時間閾,すなわち,単語認知に要する時間に対する語彙的な文脈情報による促進的効果は確認されなかった.一方,漢字の文字や単語に含まれる空間周波数成分が6cycle/characterより小さいときには,単語の時間閾は語彙的な文脈情報によって促進的な効果を受け,この時間的促進は,およそ20msから40ms程度であることが確認された.これらの知見は,これまでの先行研究で確認されてきた,単語認知に影響する言語固有の情報の効果が,単語の視覚情報がどの程度まで処理されるかにかなり依存することを示唆している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kaketa, K.: "Effects of visual familiarity and word-like property of Japanese string on lexical decision"Abstracts of the VI European Congress of Psychology. 225 (1999)

  • [文献書誌] 懸田 孝一: "漢字文字認知における語彙文脈と・視覚的複雑さの関係-空間周波数フィルタリングによる検討-"日本心理学会第63回大会発表論文集. 460 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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