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1998 年度 実績報告書

協調的意思決定における議論経過の可視化が情報探索過程及び情報の共有化に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 10710046
研究機関大阪教育大学

研究代表者

秋山 学  大阪教育大学, 教育学部, 助手 (10252743)

キーワード意思決定 / 協調作業 / 情報の共有 / 情報探索 / 可視化
研究概要

本研究では,意思決定を行うペア同士が対面している状況で,情報検索機器を共有した場合での情報探索過程と,個別に情報探索機器を操作した場合での情報探索過程を,個人での意思決定における情報探索過程も交えて比較,検討を行った.選択対象は海外へのパッケージツアーであり,被験者は女性大学生64名であった.本実験の結果,個人で意思決定を下した場合より,ペアで決定を下した場合に検討した情報をより正確に再生した.この傾向は,被験者の当該問題に対する事前経験(海外渡航経験)のない被験者に顕著に見られた.また,ペアでの意思決定で再生率が上昇したのは,ペアでの情報探索過程であまり重視されていないと考えられている選択肢に関して検討した情報を正しく再生していることが明らかになった.この結果はペアで情報検索機器を共有した場合の意思決定過程を検討した秋山(1998)と同様であるが,秋山(1998)と異なるのは,ペアが選んだ選択肢と第2選択肢に関してである.情報検索機器を共有した場合では,ペアが選んだ選択肢や第2選択肢,およびその次に検討した(第3)選択肢に関する情報に至るまで同程度に正しく再生された.個人での意思決定との比較では第3選択肢に関する情報が情報検索機器を共有した場合の方が正しく再生された.個別に情報探索機器を操作した場合では,ペアが選んだ選択肢や第2選択肢は同程度に正しく再生されたが,第3選択肢はこれらより劣る再生率であった.また,個人での意思決定との比較では第2選択肢に関する情報が個別に情報探索機器を操作した場合の方が正しく再生された.以上の結果より,情報探索機器の共有・非共有で保持される選択肢情報に違いが見いだされることが明らかになった.平成11年度は,今回の結果を踏まえ,情報探索機器が非共有の場合であっても,相手の探索情報を可視化することにより,選択肢情報の保持が変化するのかを検討していく.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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