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1999 年度 実績報告書

ゼロリスクの可能性に関する認知地図の構築とリスク・コミュニケーション効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10710068
研究機関静岡県立大学

研究代表者

中谷内 一也  静岡県立大学, 経営情報学部, 助教授 (50212105)

キーワードリスク知覚 / リスクコミュニケーション / リスク / 環境リスク管理
研究概要

1.本研究の目的のひとつは、人々がどのような領域でゼロリスクが可能であると考えるのかを明らかにすることであった。質問紙調査法により、全61項目の評価対象(主だった先行研究でとりあげられてきたリスクを伴う活動や科学技術に、近年、社会問題化したトピックスを数項目加えたもの)を用意した。調査対象者は静岡県および愛知県在住の社会人105名、学生153名、その他15名の合計273名であった。質問は「それを原因として死ぬ人がいなくなるということが、いずれ技術的、あるいは、制度的に可能になると思うかどうか」を7段階尺度上で求めるというものであった。分析の結果、ハザードにさらされてから死に至るまでの時間が長いほど、その項目についてはいずれゼロリスクが可能であると考えられやすいことが示された。また、因子分析の結果を併用したところ、「現時点では致命的な病気」や「身近な技術がもたらすリスク」については完全な安全の可能性が高く、一方、「天災」「意図的暴力による生命の被害」「輸送機と原子力関係の事故」などは、相対的にゼロリスクの達成が困難ととらえられていることが示唆された。
2.「人々は過剰にゼロリスクを求める」というリスク管理現場におけるメタモデルを検討するため、同じ規模のリスク削減であってもそれがゼロリスクを達成する場合とそうででない場合とで、リスク削減に対する評価がどう異なるかを実験により検討した。その結果、程度の異なる複数のリスク削減プランを同時に提示され、それぞれに対して価値判断が求められる状況では、確かにゼロリスク達成の評価が大きく上昇するが、一方、漸次的にゼロリスクへ近づいていくような状況では、むしろ、最初のリスク削減に対する評価が高く、その後は低下することが示された。この結果、先のメタモデルの一般性に制限を与えるものであった。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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