今年度は、2年継続の1年目にあたり、テーマに関する基礎的資料の資料や関係機関などからの資料収集や聞き取りに専念した。主な調査対象地に関する調査の現状は以上のとおりである。 山形県庄内地方-主に酒田市周辺を中心に歴史社会学的な見地から戦前期の「農本主義」的農民運動についての資料等を収集した。 青森県津軽地方-主に平賀町を中心として主要農産物である「りんご」生産をめぐって農家の個別経営の実態と「むら」としての共同性の歴史的経緯との関連等についての資料収集・聞き取りを行った。「りんご」の場合は、米とは違い農協等に頼らない独立経営の特徴がかなり早い時期から確立している様子がうかがえる。 青森県南部地方-主に名川町を中心に女性が主体となる産直センター経営の経緯について資料収集・聞き取りを行った。 宮城県仙北地方-主に南郷町を中心に稲作経営と生産の複合化に関する資料収集・聞き取り調査を行った。 来年度は引き続き、収集したデータの分析を通じて必要と思われるデータの収集のための現地調査と東北地方における「いえ」と「むら」に関する一つの理論的な見取り図をえがけるような理論的収斂を行いたい。
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