研究概要 |
阪神・淡路大震災をきっかけにはじまり、今日より一層の展開を見せているインターネットを利用したNPO/NGOのネットワーキングの実態を把握するために、本年度においては、以下のような調査を行った. まず、東北・北関東や高知などの豪雨水害で災害救援活動に携わった「災害救援ボランティア団体(NPO)」と、平常時には地域のボランティアやNPOの情報センターとして、災害時には地域の災害救援ボランティアセンターの役割をする各地の「NPOサポートセンター」を調査対象にして、それらが利用しているメーリングリストやホームページにアクセスし、それらの団体の活動に関する情報を収集し分析した. さらに、上記のインターネットを利用した実態調査から、災害救援活動で中心的な位置を占める災害救援ボランティア団体、NPOサポートセンターを抽出し、各団体の事務所を訪れ、また、災害救援に関するシンポジウムなどに出席して、各団体の中心メンバーを対象にしてインタビュー等による実態調査を行なった. その結果明らかとなったのは、調査対象となった各団体では、インターネットを利用し始めたのは1,2年前からで比較的最近であること.地域づくりや福祉などの活動や団体間の連絡やネットワークづくりに日頃からインターネットを利用している団体は、災害時の救援活動にインターネットを有効に活用できること.さらに、インターネットを専門に担当する能力の高いボランティアとして高齢者や障害者が参加していることなどである. そして、このことから日頃からの高齢者や障害者も含めたインターネットを利用できる人づくりとしてのNPOによる「地域情報教育活動」が、また、NPOによるインターネットを活用した地域づくりや福祉などの活動を通じたネットワークづくりが、災害時の効果的な救援活動にとって必要不可欠であることが明確になった.
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