本研究に際し、初年度(1998年度)は、主に、全国の関係大学の実態調査について、介護等体験の実習をめぐる実態と課題について明らかにした。大学のカリキュラムに今後位置付いていくためのあり方などいくつかの課題整理を通して、教育学部における福祉・ボランティア体験の意味について成果を得た。 これは「教員養成学部・大学における介護等体験の実施状況」(福島大学教育実践研究紀要第35号、1999年)、「教員養成における『介護等体験』実施に関する方法と課題」(日本教育大学協会・教科教育学研究1999年)に著し、学生への福祉教育体験活動のあり方について検討をおこなった。 2年度(1999年度)は、教員養成におけるボランティア関連科目のカリキュラム開発の実際と社会福祉協議会との連携によるハンドブックの作成・開発をおこなった。社会福祉協議会のボランティアセンターとの共同により、小学校中学校の現場教師向け及び教育学部学生向けの教材としてのハンドブックとその活用について調査研究と聞き取りを中心に研究をまとめた。研究の経過では県教育委員会や学校関係者との意見交流をおこない、実際的な教育現場での福祉・ボランティアの教育実践の推進に関する資料集を「学校における実践ハンドブック」として研究成果の報告書にまとめた。
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