本研究初年度の今年は、「新しい」共生に向けての理論的、教育実践の理論的検討を次の二つの角度から行った。1)アメリカにおけるコミュニタリアニズム、多文化主義、アフリカ中心主義や葛藤解決法等の子どもや社会の荒れ、多文化化等に対応した理論や実践の整理。2)日本における共同体理論の系譜。日本型システムについても整理を行っている途中である。 また、これは主としてアメリカ側において、新しい共生を目指す色々な実践の動きを、手紙、教材の収集等を通じて行った。これと関連しながら、象徴的に日本社会で「共同性」が問われている場面や場、例えば、不登校に関連してフリースクールや適応教室、多文化化が進む夜間中学、国際高校等の「国際化の実験」、外国人の多い学校の観察等に焦点を当てて訪問、インタビューを行った。 結果は、院のゼミの内容として取り上げるとともに、東京書籍から出版する予定の本としてまとめつつある。
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