今日、日本の教育現場においても、「共存」が大きな課題となっている。一方では中学生によるナイフ事件や学級崩壊に見るような身近な他者との共同性の危機、社会性や対人関係の危機があり、他方では外国人の増加に象徴的に見るような社会の多文化化の中での異質に他者との共存もまた、問題となっている。移民社会として長年異質な民族・人種等の共存原理を模索し、また、今日では日本以上に子どもの共同性の危機が問題視(例 学校での子どもの暴力)されているアメリカは、教育現場においても多くのプログラムを開発し、実践を繰り返しているという意味で日本の現状を理解する上でも示唆に富む。 本研究の最終年、共存の問題に関連して行ってきた観察と、共存に関連した教育の試み(例 葛藤解決のプログラム、多文化共存へのプログラム)を整理し、日米比較の視点を用いつつ、まとめた(別紙著書として出版)。
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