研究概要 |
本研究は,子どものグローバル意識の形成をめざす小学校総合学習カリキュラム開発の原理をあきらかにすることを目的とし,とくに「食」にかかわるカリキュラム開発を試みる,平成10年度,11年度の2年度にわたる研究である.本年度では,以下のことをおこなった. (1) 「食」のうちでもとくに,主食である米に注目し,米をあつかった先行実践を検討した.本研究のパイロット授業の一貫として,愛知県新城市立八名小学校第5学年において平成9年度におこなった「米づくり」の授業での,児童自身の手による米づくりが,農家のかかえるさまざまな問題(米の自由化,後継者不足など)や,それを取りまくグローバルなレベルでの食糧依存状況に対する児童の認識に,どのような形でかかわりうるのかについて考察した. (2) 八名小学校第6学年において,第二次世界大戦中の食糧事情を窓口として,平和教育の総合学習プログラムを計画・実施した.また,あらたに,愛知県岡崎市立山中小学校の協力を得て, 「食べたあとに残るもの」 (ゴミ)から環境を考える総合学習プログラムを計画・実施した. 来年度は,これらのパイロット授業の分析をすすめていく.
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