今年度は次の2つの作業を進めることができた。 第一に、昨年度のノルトライン・ヴェストファーレン州の場合と同様に、研究対象であるニーダーザクセン州における学校内の各種会議に関する規定を調べ、制度枠組みを把握した。具体的な作業としては、関係法令および研究論文をもとに、各種会議で審議されることになっている事項としてどのような項目があるのかを調べた上で、どのような構成員によって審議されているのか、その構成員はどのように選出されているのかについて明らかにした。昨年度のノルトライン・ヴェストファーレン州の場合と異なる点も数多く見られ、州ごとの独自性を確認することができた。 第二に、約2週間にわたるドイツ滞在によって、ニーダーザクセン州の総合制学校(オルデンブルグ)およびドイツ国際教育研究所(フランクフルト)を訪問することができた。とりわけ、総合制学校においては、学校内の各種会議を傍聴するとともに、校長にインタビューする機会を得て、学校内各種会議における審議内容および審議過程の一端を見聞することができた。また、他の州の学校会議の議事録を入手することができ、こちらの分析も進めた。 今年度は、主に以上のような作業を進めることができた。しかしながら他方、調査研究の進展が必ずしも十分ではなかった。今後、データを整理するとともに、できるだけ早い時期に研究成果を公表する予定である。
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