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1998 年度 実績報告書

銘文データベース作成による中国秦漢時代青銅器の生産と流通に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10710187
研究機関東京大学

研究代表者

吉開 将人  東京大学, 東洋文化研究所, 助手 (80272491)

キーワード中国 / 秦漢時代 / 青銅器 / 銘文
研究概要

本課題は、秦漢青銅器の銘文「秦漢金文」に注目して中華人民共和国建国後50年間に新たに発見・収集された資料を総合的に整理し、器物そのものについての分析と重ね合わせることによって、その生産と流通の実態を立体的に把握することを目的とする。
本年度は、『考古與文物』などの地方学術誌にこれまで掲載されてきた秦漢金文を一つずつ拾い集め、カード化する作業を進めた。最終的な整理・分析結果は、来年度に予定している『考古』など中央の学術誌についての作業終了段階まで持ち越すことになるが、現在までの基礎整理の結果により、当初の見通しどおり、管理面の記録文が主体で書式等に明確な規則性があることが判明した。体系的な整理によって、生産・流通にとどまらず、官制・度量衡など当時の社会の重要な諸問題に迫ることが可能となるはずである。学術雑誌からの資料収集に並行して、単行本のかたちですでに刊行されている秦漢時代の報告書についてもデータを拾う作業を進めた。その一つである「西漢南越王墓」についての作業は、その副産物として、当該墓から出土した大量の印章や「封泥」のもつ資料的な重要性に目を向けるきっかけとなり、以後、秦漢金文の一部として印章(封泥)資料についても体系的な整理を進めていった。その第一段階の成果として「西漢南越王墓」のデータを基礎にまとめたのが「印からみた南越世界」(上篇)および(中篇)であり、本年度の研究成果の一部としてすでに「東洋文化研究所紀要」に発表した。一般には「帝国」と形容される漢王朝が、秦を受け継いで成立したその初期の段階においては、きわめて不均衡な統合を実現していたにすぎないことを、「南越」という独立政権の印章制度がもつ独自の歴史的背景を明らかにすることによって論証したものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 吉開将人: "印からみた南越世界(前篇)" 東洋文化研究所紀要. 第136冊. 89-135 (1998)

  • [文献書誌] 吉開将人: "印からみた南越世界(中篇)" 東洋文化研究所紀要. 第137冊. 1-45 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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