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1999 年度 実績報告書

講式の国語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10710198
研究機関愛知文教大学

研究代表者

大槻 信  愛知文教大学, 国際文化学部, 講師 (60291994)

キーワード国語 / 中世 / 仏教 / 訓点 / 講式 / 明恵 / 高山寺 / 語りもの
研究概要

講式関係の文献資料の収集を継続し、合計2度にわたり京都の古社寺(高山寺)等への原本の実地調査を行った(平成11年7月・平成12年1月)。研究費によって購入されたコンピュータを利用し現在までに、明恵が著した講式大半の整理・入力を終えた。さらに、それら写本を系統別に整理し文献学的に定位する作業を行った。それらをうけ、本年度は主として、講式にもちいられる言語の国語学的分析を遂行した。その結果、講式の言語が訓点資料に見られる言語とは性質的に異なった点があり、より和文さらには口頭語に接近していることが判明した。その点で、本研究の目的であった、「語りもの」の源流としての講式に現れる言語の位相を定位し、共時論的な位置付けを明確にするという課題がおおむね達成できたものと信ずる。
従来、講式は訓点資料の一つとして扱われることが多かった。しかし、経文を理解するという理解行為と、聴衆の面前で儀式を執り行うという表現行為との間には自ずから違いがあり、その相違が言語面にも表出している。講式の言語は表現行為の一つとして、漢文訓読の枠に収まりきらない側面を持つ。具体的にはより和文に近く、さらには口頭語に接近している。
その成果の一つとして、本年度は、明恵による講式の一つである羅漢供式の影印、翻刻、解題を『明恵上人資料 第五』中に公開することが出来た。
今後は、講式作者の教学・思想的な面を視野に入れ、仏教文学全体の中での講式の占める位置について考究することが課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 大槻 信: "にごり"国語国文研究. 112号. 10-20 (1999)

  • [文献書誌] 大槻 信: "「よのなか」小攷"比較文化研究. 1号. 1-17 (1999)

  • [文献書誌] 大槻 信(奥田 勲らと共著): "明恵上人資料 第五"東京大学出版会. 440 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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