| 研究概要 |
本年度は主として赤穂浪士事件,およびその周辺資料の収集に努めた。
まつはその一環として,名古屋に一泊二日,大阪に一泊二日の調査旅行をおこない資料調査をおこなった。また静岡大学教育学部の杉田昌彦助教授の助言等を得るため,東京大学への出張を依頼し,資料の整理および解読,研究の方向性についての打ち合わせを行なった。また東京大学総合図書館所蔵のものを中心として,複写資料を作成し,資料の整理に努めた。
以上採択が平成10年末であったため,資料を収集整理することに終始し,それらを利用しての研究活動にまでは至らなかったが,集めた資料および『赤穂義人纂書(赤穂義士資料大成)』所収の実録類,あるいは赤穂市史編纂室編集による『忠臣蔵』所収の歴史史料および文芸資料,そのほか赤穂浪士事件に関する諸資料集より適宜今後の研究にとって必要なものについて優先順位を付し,科学研究費補助金によって購入したパーソナルコンピュータを用いて入力し,データベース化を開始している。本来は特に実録類の場合,既翻刻の活字と図書館等に所蔵されている諸本とを比較技合し,本文の生成・流布の形態を見分け,それによって事件の伝播した経緯を見定めていくべきであるが,現在のところは,その前段階として,そうした作業の基礎となる資料のデータベース化を急いでいる。
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