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1998 年度 実績報告書

元代における「三国物語」と『三国志演義』の成立

研究課題

研究課題/領域番号 10710216
研究機関新潟大学

研究代表者

中川 諭  新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (20261555)

キーワード『三国志平話』 / 元雑劇 / 『三国志演義』 / 三国物語 / 元代 / 明代
研究概要

本年度は基礎的作業を中心に研究を進めた。まず元代において知られていた「三国物語」を取り上げる上で極めて重要な資料である『三国志平話』を精読することにつとめた。特に『三国志演義』との違いに留意して物語展開を整理した。続いて元雑劇のうち「三国志物語」を題材として取り上げたものについて資料を収集し、読み進めながら物語構成を整理していった。それと同時に「三国雑劇データベース」を構築した。その上で『三国志平話』・「三国物語」を題材にした元雑劇と『三国志演義』を比較検討した。
以上の作業を通して、次の点が明らかになった。『三国志平話』の本文中に見られる誤字の多くは北方方言の影響によって書き誤ったと思われるものが極めて多い。また『三国志平話』の中で述べられる物語は元雑劇に共通するものが多く、両者の密接な関係が窺える。すなわち『三国志平話』は福建の建安で出版された書物ではあるが、むしろ北方文化の影響を強く受けていると考えられるのである。さらに『三国志演義』は『三国志平話』や元雑劇に見られる元代の「三国物語」と比較すると、相当部分において歴史書に近づいていることが指摘できるのである。
これらの成果を本年度中に公刊した『三国志平話』の訳注の中に盛り込んだ。また現在このことをふまえて、「関公単刀会」の場面を取り上げて研究論文を執筆中である。
元代における「三国物語」と『三国志演義』の人物形象の違いや、『三国志演義』が成立するに当たって元代に知れ渡っていた「三国物語」がどのように変化していったのかということについて、次年度においてさらに研究を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中川 諭: "『三國志演義版本の研究" 汳古書院, 428 (1998)

  • [文献書誌] 中川諭 二階堂善弘: "三国志平話" コーエー, 318 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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