1 「ブルームズベリ・グループ、フェミニズム、そしてアンドロジニーの系譜」(日本ヴァージニア・ウルフ協会第18回全国大会のシンポジウム「ブルームズベリ・グループについて(その2)--ブルームズベリ・グループと社会」)本研究では、Edward Carpenterの言説を歴史的にたどりながらVirginia Woolfの小説、Dora Marsdennの論説を選び、それらを、同性愛の表象と有機体論や機械主義をめぐる具体的な論争において使われているイメージを、アオンドロジニーの表象によって媒介し比較することによって、セクシュアリティと消費文化の支配的イデオロギーとの関連を検討した。 2 「『日はまた昇る』と地政学的無意識ーー文化表象としてのアングロ・サクソニズム」(日本ヘミングウェイ協会編『ヘミングウェイ生誕100年記念論文集』本の友社1999年出版予定)本論は、現在英米の文化研究において支配的なクイアー批評やポストコロニアル批評との接合を試みつつ、新たな表象論の可能性を検討した。グローバルに流通し消費される商品の、政治的レヴェルにおける表象として、アングロ・サクソニズムを問題にした。 3 「ロレンスとマルクス主義批評ーー『恋する女たち』におけるナショナリズムの言説」(『D.H.ロレンスと新理論』国書刊行会1999年出版予定)本論は、まず、グローバルに流通し消費される商品とそれを支える新たなリベラリズムによってロレンスのテクストを解釈した。その上で、それに対立し抵抗する力としてのナショナリズムの意味を、有機体論と機械主義の二項対立をこえながら、探った。
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