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1999 年度 実績報告書

古典悲劇とキリスト教-対立の歴史と和解の試みに関する諸問題

研究課題

研究課題/領域番号 10710240
研究機関愛媛大学

研究代表者

柳 光子  愛媛大学, 法文学部, 助教授 (60284387)

キーワード17世紀フランス文学 / 古典主義 / フランス演劇 / 古典悲劇 / キリスト教 / ラシーヌ / ポール・ロワイヤル
研究概要

17世紀のフランスにおいて演劇断罪派の急先鋒であったジャンセニストたちによる文学観を,文芸サロンの語録や彼らの古代作家・古代時代作家に対する批評文,論争文書などの分析によって把握し,この一派と深く関わったラシーヌによるキリスト教の理論と古典悲劇を和解させる試みが後期作品にどのような形で現れたかを再検討した。この問題については今秋,上智大学出版局から刊行される小田桐光隆編『ラシーヌ劇の神話力』第3部第5章「異教神話と聖書的霊感のラシーヌ的融合」にまとめて発表する。
本課題に関する最重要作家であるラシーヌについては,没後三百周年を機に関連の学会や資料展示会が研究期間中,フランス内外で数多く開催され,その一部に参加できたことにより,研究上少なからぬ示唆が得られた。中でも上智大学主催で開催された国際学会において,ラシーヌの詩法形成やポール・ロワイヤルとの関係についての先端的研究に接し新たな視点を得たことは,古典悲劇とキリスト教の対立問題を考える上で非常に有意義であった。
この他,17世紀後半以降のヨーロッパにおいて主導的役割を果たしたフランス演劇の各国における受容史から,演劇とキリスト教をめぐる対立と和解に関する理論の浸透度や,宗教諸派による慣用度の違いを推論する試みに着手した。現時点ではフランス国立図書館での文献参照(オランダにおける受容史研究書等),オスロ演劇博物館での調査等によってその一端を研究するにとどまっているが,予想以上に短期間でフランス古典主義の理念がヨーロッパ各地に伝播していることが確認され,今後この方面の調査・研究を継続することにより新たな知見が得られるものと期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 柳 光子: "17世紀のフランス芸術におけるアポロン像"STELLA. 18. 36-60 (1999)

  • [文献書誌] 柳 光子: "ラシーヌ没後三百周年をめぐって"流域. 48. (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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