エチオピア連邦民主共和国でのフィールドワークにより集めた資料に基づいて、オロモ語の動詞構造のうち、テンス・アスペクト体系に特に注目し、複合時制として解釈されているdeemaa jiraとdeemee jira(不定形deem-uu(行く)の1人称あるいは3人称現在の形態で代表させることにする。)という形態の違いが未完了相と完了相というアスペクトの違いによることを突き止め、またその使用頻度に関しても、動詞の語彙アスペクトによる分類に従って考察した結果、語彙アスペクトと連動した形で現れやすい無標の形態と現れにくい有標の形態が存在することが分かった。動詞の派生に関しても調査を行いデータを集めたが、現在分析中である。同時に現地でのインフォーマントの協力によりデジタルビデオ、MDなどにオロモ語及びオロモ文化の膨大な画像・音声データを収録しており、現在パソコン上で画像・音声データベースを構築中である。
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