研究概要 |
本年度は、まず予備的研究として、英語学習の教室内で学習者にオーセンティックなタスクを実施させ、談話分析を実施した。学習者の発話内容をオーディオ・テープ及びビデオ・テープで採集しデータとしてコンピューターの音声入カソフトでスクリプトの作成に取り組んだ。 こ結果、日本人学習者の発話は、中間言語の発達においてかなり,初期的段階であり、統語的、音声的、語用論的にみて目標言語である英語との隔たりが大きいことが解った。このため、既存の英語音声入カソフトでは十分対応できなかった。特に英語音声入力ソフトを効果的に作動させるためには、映像・音声の入力をデジタル録音するといった改善策が必要であろう。 しかしながら、収集したデータを分析した結果、臨場感のあるタスクを上手く実施することで、日本人学習者同士でも英語で十分意味交渉のためのModificd Interectionを実施、言語習得のため談話活動に取り組むことが確認された。これらの結果をもとに第27回九州英語教育学会大分研究大会で口頭発表した。 これらの研究から、意味交渉のための認知トレーニングを通常の教室での英語学習に導入すれば、学習者はさらに頻繁に、意図的にModified Interectionを実施することが可能であると推測される。 次年度の課題としては、日本人英語学習者が積極的に十分な意味交渉を行うための認知トレーニングの有効な導入方法を検討し、既存の英語教授法と学習効果の比較検証を実施する必要がある。
|