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本研究は、UCC第2編、第2A編、第2B編からなる“Article 2s"にみられる一般契約法原理を抽出することを目的とし、その初年度にあたる本年度の研究計画では、(1)Article 2sの改正・起草作業のフォロー;(2)UCCの契約概念に特徴的な「事実上の取引」や「実践的契約解釈」概念の機能分析;(3)契約法の世界的標準化のなかでのArticle 2sの位置づけを行うことにしていた。当初平成10年夏に完成を予定されていた第2B編起草作業に遅れが生じたため(平成11年夏に完成予定時期が延期になった)、海外出張の時期を平成11年度に移すなど若干の計画変更を強いられたものの、次のような作業を行った。
(1)に関し、UCC第2B編の起草作業をフォローし、その作業における主要論点の把握につとめた。この作業は、平成11年夏に予定される同編の完成まで継続して行い、同年秋に学会で発表することを予定している。
(2)に関し、これらの概念を応用した「継続的供給契約の構造」に関する論文の準備をすすめた。研究成果を平成11年内に紀要に公表する予定でいる。
(3)に関しては、CISGにつき、"CISG-Japan Database"(www.law.kyushu-u.ac.jp/〜sono/cisg/)を構築、公開した。これは、海外の研究者と協力して、CISGの解釈適用の統一を図るための判例情報等をデータベース化した自生的ネットワークの一角を占めるものである。その他、CISGの具体的解釈論との関連で、売主の自助売却に関する検討を行い、公表した。また、UNIDROIT原則の日本語版の作成作業をすすめている。
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