平成10年7月12日から8月30日まで、カナダのビクトリア大学法学部(ブリティシュ・コロンビア州)において在外研究をする機会を得て(カナダ会社法および証券取引法の研究‥‥委任経理金)、その際に、カナダ会社法に関する文献を十分に揃えて来ました。カナダにおける配当の手続規制に関する論文も、相当に収集し、また、更に必要があれば適時に入手できるような環境を整えて帰国しました。カナダの文献は、論文についても、とりわけ書物についても、わが国では利用が相当に困難な状況にあり、このような別の機会を利用して‥‥もとより出張の主目的を遂行した上でのことですが‥‥、資料を人手できたことは大きな収穫でした。 帰国後は、講義負担の多い後期に重なっていたこともありますし、さらには単編著、単著および共著の執筆と校正などにも追われたため、満足ができるだけの時間を、本件研究課題である「利益配当に関する手続規制の再検討」に当てることは実現できませんでした。 もっとも、収集してきた文献をもとにしてカナダ法の分析を一定程度行うことができましたし、かねてからの専門であるアメリカ法については、これまでの知見を生かしてやや踏み込んだ考察を行いました。これらの作業を通して、少なくとも、今後の114望を111分なりに構築する作業をすることはできたと言えると思います。これまでに思案した展望を抱えて、平成11年3月19日から30日までアメリカに出掛け、数名の研究者等にレビューを受ける計画でいます。
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