1 研究期間の2年目に当たる本年度も、昨年度に引き続き資料の収集と専門家からの意見の徴集、およびそれらの整理を行った。また、テーマに関連する以下の研究会に積極的に参加し、問題解決のアプローチ等について議論を行った。(1)「独禁法研究会」(比較法研究センター主催)、(2)「知的財産法研究会」(同)、(3)「ソフトウェアの販売代理店契約に関する調査研究会」(ソフトウェア情報センター)、(4)「知的財産と標準化に関する調査研究会」(知的財産研究所)等 2 本年度の研究の具体的成果として、「産業の発達および市場の展開と知的財産法」日本経済法学会年報20号131頁(1999年)を公表した。本稿は、知的財産法と関連する市場の誕生、発展および秩序維持がいかなる関係にあるか、あるいは、市場の展開を促進させることで産業の発達や豊かな国民経済の実現のために、知的財産法がどのような制度設計を採用しているかということを広く概観したものである。なお、昨年度出版予定だった山上和則先生還暦記念『判例ライセンス法』(発明協会・2000年)が出版され、同書所収の「特許・商標ライセンサーが行う価格制限について」が公表された。 3 2年間の研究期間は終了するものの、本研究の最終目標であるソフトウェア・ライセンスの各論に関する検討・分析をするまでには到らなかった。また、最近ではオンライン環境下における情報取引の問題も重要になってきている。こうした点は今回の研究を基礎として、来年度以降、継続的に研究を行っていく予定である。
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