主に、確率的ボラティリティ変動モデルおよびそれを発展させた資産価格と取引高の2変量分布混合モデルの推定法に関して研究を行った。 まず、Watanabe(1999)において、確率的ボラティリティ変動モデルの非線形フィルターに基づく新たな推定法を提案し、この推定法のパフォーマンスの良さをモンテカルロ実験により示した。また、TOPIXの日次データへの応用も行っている。 次に、ボラティリティと取引高の間に正の相関があることが知られており、それを説明する代表的なモデルに2変量分布混合モデルがあるが、Watanabe(2000)では、このモデルの新たな推定法として、マルコフ連鎖モンテカルロ法に基づくベイズ推定法を提案している。また、日経平均先物の日次データを用いて、単純な2変量分布混合モデルではボラティリティと取引高の変動を共にうまく説明することはできないという結果を得ている。 確率的ボラティリティ変動モデルの下でのオプション価格の評価については、以上の結果を踏まえ、現在進行中である。
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