経済企画庁が公表する「新国民生活指標(PLI)」、いわゆる「豊かさ指標」は、国民生活の様々な面の側面が把握できる指標であるとの評価がある一方で、それが地域の豊かさを反映したものなのか、指標の妥当性を疑問視する声もあり、その改善が急務となっている。本研究は、2年間の科学研究費補助金の交付期間に、この「新国民生活指標(PLI)」の問題点を検討し、修正「豊かさ指標」の構築を目指した。平成11年度におけるその業績の概要は以下の通りである。 1.市町村データをもとに、社会資本、地域間交流の帰属価格を推定した。帰属価格の算定においては、我が国3200余りの市町村データをもとに、交流人口、交流面積を計算した。これらを含めた説明変数、地域の賃金、土地の地代に反映されているという仮定のもとで、賃金、地代のヘドニック関数を行った。 2.求められた帰属価格をもとに、これら交流人口などのファクターがどの程度賃金や地代に反映されているのか明らかにした。 3.さらに集計したデータをもとに、指標作成の準備段階として、各地域の類型化を試みた。 4.現在、指標作成の作業に従事。地方財政の関連のデータでいまだ未集計のものがあり、最終的な作業に向けて作業を継続している。
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