研究概要 |
本研究の目的は多国籍企業における知的財産のボーダレス化およびその管理・運営状況、さらには外部情報としての会計評価のあり方を明確にすることであった。2年間にわたって科研費の補助をうけて得ることができた成果は以下のとおりである。 (1)多国籍企業の有価証券報告書を分析することにより知的財産の所有状況と獲得にいたった過程を明確にしたこと。 (2)知的財産を獲得する契機となっている企業結合取引について企業結合取引の形態と会計処理を整理したこと。 (3)経済取引がボーダレス化するにつれ激化してきた知的財産関連の国際紛争の分析と知的財産の保護をめぐる国際条約の動向を調査・検討したこと。 (4)知的財産をめぐる経営戦略をコンサルティングへのインタビューなどを通じて調査し、実態を明らかにしたこと。 (5)IAS38,FRS10などの会計基準の分析、各企業の実務分析を通じて知的財産に対する会計評価の手法を明確にしたこと。
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