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1998 年度 実績報告書

アーベル多様体の退化と大域的構造

研究課題

研究課題/領域番号 10740018
研究機関大阪府立大学

研究代表者

川添 充  大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (10295735)

キーワードアーベル多様体 / ファイバー構造 / ネロン・セベリ群 / 重複ファイバー / 楕円曲面
研究概要

本年度は,代数曲線上のトーラス束のネロン・セベリ群や,楕円曲面(1次元アーベル多様体の代数曲線上の変形族)の重複ファイバーに関して以下の研究を行った.
●代数曲線上のトーラス束のネロン・セベリ群について.Brinzanescu,上野健爾による,代数曲線のnon-Kahlerなトーラス束のネロン・セベリ群に関する構造定理を,ファイバーの有限位数の自己同型での捻りも許した,より一般のトーラス束,すなわち,エタール・トーラス束へと拡張するとともに,以前は,相対的一次微分加群層が自明か,または,相対的一次微分加群層が大域切断を持たない場合のどちらかだけについて得られていた,全空間のケーラー性,射影性の判定法を,一般のエタール・トーラス束へと拡張することに成功した.現在は,これらの結果を,重複ファイバーも許した,エタール・トーラス擬束へと拡張すべく計算を続けている.
●楕円曲面の重複ファイバーについて.一般のファイバーが超特異楕円曲線で,アルバネーゼの次元が1であるような射影直線上の楕円曲面について,アルバネーゼ・ファイブレーションと純非文理被覆およびp-閉ベクトル場の理論を有効に活用することにより,重複ファイバーが1本だけならば,その重複度はかならず定義体の標数と等しくなることを証明した.この結果よって,永らく未解決であった,超特異楕円曲線を台とし,重複度が標数の2乗で割りきれる重複ファイバーの存在性に関する問題に対して,部分的にではあるが,不定的解決を与えたことになる.

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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