円周上の点の配置空間に自然に定まる双曲構造について研究を行った.元の配置空間に適当な構造を付加することによって、その付加した構造を動かすことにより配置空間の双曲構造も変形しすることが以前の研究で分かっていた.特に現れる多様体(配置空間)の次元が2または3のときは、付加される構造の空間からTeichmuller空間および、character varietyへの写像が自然に定義されるが、この写像が大域的に単射であることを、本研究課題の研究代表者による研究および東京工業大学・小島定吉氏・九州大学・西晴子氏との共同研究より示した.より具体的には、写像の定義域にあたる空間の座標系を適当に定めることと、写像の値域にあたる空間からもとの定義域の空間への逆写像を、上記座標系を利用して幾何学的に構成することにより議論をすすめた. 設備備品費は当初予定していた幾何学関係図書・位相幾何学関係図書等の購入を中心に行った.消耗品は計算データ結果の保存用に、計算機記憶媒体の購入が主であった.国内旅費は、共同研究者との研究連絡を学会等で行うための利用と共に、第45回トポロジーシンポジウムや研究集会「リーマン面・不連続群」での発表など、研究発表にも使用した.なお、上記共同研究成果は現在投稿中である.
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