代数的符号理論とユニモジュラ格子の研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10740044
• 研究機関: 山形大学
• 研究代表者: 原田 昌晃 山形大学, 理学部, 助手 (90292408)
• キーワード: 符号理論 / 自己双対符号 / ユニモジュラ格子 / 有限環

研究概要

有限環上の符号理論とユニモジュラ格子の研究を行なった。特に、新しいユニモジュラ格子の有限環上の符号を用いた構成に興味を持って研究を行なった。
近年、特に興味を持たれている有限環z/4z上の自己双対符号の研究を行ない、またさらにその一般化である有限環z/2kz上の自己双対符号について調べた。z/2kz上の自己双対符号とユニモジュラ格子の間におけるパラレルな関係を代数的に証明した。また、39次元においては、今までに存在の知られていなかった、optimalなユニモジュラ格子の構成に、z/4z上の自己双対符号を用いて成功した。この構成方法はその他の次元についても非常に有効であると思われるので、現在はその他のoptimalなユニモジュラ格子の存在の知られていない次元について、研究を行なっている。
符号理論において深く研究されている有限環はz/2kzであるが、それ以外の位数の小さい有限環についても着目して研究を行なった。特に、4種類ある位数4の有限環中で研究がなされている有限体とz/4z以外の有限環上の自己双対符号については深く研究をした。optirmalな自己双対符号の決定および構成に成功した。また、自己双対符号の中に着目すべき新しいクラスを定義し、そのクラスについての研究も行なった。
ユニモジュラ格子に定義出来るshadowという概念についての研究を行ない、次元の高いユニモジュラ格子の構成にshadowが役にたつことを証明し、幾つかの良いユニモジュラ格子の構成を行なった。

研究成果

• [文献書誌] M.Harada: "New extremal Type II codes over II_4" Designs, Codes and Cryptography. 13. 271-284 (1998)
• [文献書誌] M.Harada: "New 5-designs constructed from the lifted Golay code over II_4" J.Combinatorial Designs. 6. 225-229 (1998)
• [文献書誌] M.Harada: "New extremal ternary self-dual codes" Australasian J.Combinatorics. 17. 133-145 (1998)
• [文献書誌] M.Harada: "Classification of extremal double-circulant self-dual codes of length up to 62" Discrete Mathematics. 188. 127-136 (1998)
• [文献書誌] T.A.Gullirer: "Extremal double circulant Type II codes over II_4 and construction of 5-(24,10,36)designs" Discrete Mathematics. 194. 129-137 (1999)
• [文献書誌] S.T.Dougherty: "Optimal ternary formally self-dual codes" Discrete Mathematics. 196. 117-135 (1999)