本研究においては、自己双対符号とユニモジュラ格子の研究を行なった。主に、有限環上の自己双対符号の研究を行ない、それを用いて極値的偶ユニモジュラ格子の構成を行なった。特に、整数の剰余環上の自己双対符号とユニモジュラ格子の関係について詳しく調べ、これらを題材として、数編の研究論文を書いた。例えば、位数4の整数の剰余環上の長さ16のある種の自己双対符号の分類に2元自己双対符号の性質を用いて成功した。また、この有限環上の自己双符号を用いて全ての24次元の偶ユニモジュラ格子が得られることが分かった。最小ノルムがその次元で一番大きなユニモジュラ格子の構成に最近興味が持たれているが、39次元で初めてのそのような例を自己双対符号を用いての構成に成功した。24次元までは偶ユニモジュラ格子は全て分類されているが、それ以上大きな次元ではまだ分類させていない。また、特に、その中でも極植的偶ユニモジュラ格子の構成は一つの問題とされている。多くのそのような例を見つけるのは、整数の剰余環上の極値的自己双対符号を構成するのが最適の方法の一つであり、本研究においてそれを実行した。結果として32次元と40次元では、極値的偶ユニモジュラ格子を導く新しい符号を見つけることに成功している。位数6の整数の剰余環上の極値的自己双対符号について調べた。これらも極値的偶ユニモジュラ格子の構成に役にたつと思われる。また、シャドウという概念を利用して、自己双対符号と格子についての特性を調べあげた。
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