研究概要 |
以下の研究を行った. 1. 領域内部の解の大域的分布の推定 Newton法のような局所的な解法のみで,与えられた領域内部のすべての解を求めることは困難である.そのため領域内部の解の分布を求める大域的な方法が必要となる.しかし,領域内部に近接した解があるときにはこれらの解をすべて求めることは悪条件問題となる.本研究ではまず近接した解をクラスタとして分離することで安定に解の分布を求める方法について研究を行った.この方法は単位円周上での有理関数近似に基づいて単位円内部に含まれるクラスタの数とその重心を推定する.以下の国際会議,IWOP'98(Madrid),ICCAM'98(Leuven),IPSE(Kiel)において研究成果を発表した. 2. 開発したプログラムをWeb上で利用するシステムの開発 解法の研究と平行して,開発した数理ソフトウエアを有効に利用するためのシステムの開発を進めた.本システムはJava言語によって記述されており,利用者はローカルマシン上のWWWブラウザからネットワークを介してサーバーマシンに接続をし,特別なプログラム言語などによる記述を必要とすることなく問題記述を行うことを目指す.本システムでは特別なアプリケーションや環境を必要とせず,数式及びアルゴリズムの記述を2次元構造を持つBox型言語によって表現する.システムのプロトタイプを国際会議ATCM'98(Tsukuba)において発表した.
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