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1998 年度 実績報告書

確率過程論とその数理ファイナンスへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 10740048
研究機関一橋大学

研究代表者

高岡 浩一郎  一橋大学, 商学部, 講師 (50272662)

キーワード確率論 / 数理ファイナンス / マルチンゲール
研究概要

実数値の連続(局所)マルチンゲールが一様可積分マルチンゲールになるための必要十分条件に関して、(私の知る限り)知られている結果をすべて一般化もしくは精密化した定理を導いた。これは局所マルチンゲールがマルチンゲールになるか否かという問題とも本質的に同じである。
定理の内容についてもう少し詳しく述べる。実数値の連続な局所マルチンゲールを考える。ある仮定(それほど強くないと私には思われる)の下で、そのマルチンゲールの絶対値の最大値の分布と2次変分の分布とに関してある極限値が存在し、その値がゼロの時、またそのときに限り、その局所マルチンゲールは一様可積分マルチンゲールになる、というのが定理の主張である。今までの結果に比べて使いやすい判定条件になっているのではないかと思われる。証明での鍵となるテクニックは、田中の公式を用いて局所マルチンゲールを別の局所マルチンゲールに変換する点にある。これにより、2年前のYORたちの定理で仮定した「下に有界」という条件を、今回ははるかに緩くして議論することが可能になった。
マルチンゲールは調和関数との関係が深いが、上の結果が調和関数の議論にどう応用できるかも今後考えていきたい。
最後に、上の問題は数理ファイナンスにおけるニュメレール変換の問題(同一の資産の価格をドルで見た時と円で見た時に、ファイナンス的に何が変化し何が不変か、という問題)とも関係がある。今年はファイナンスの面で直接の結果は得られなかったが、来年度はファイナンスの結果も出したいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takaoka,K.,: "Some remarks on the uniform integrabiity of continuous martingales" Seminaire de Probabilities XXXIII,LNM,Springer. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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