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1998 年度 実績報告書

相転移現象に現れる非線形微分方程式の数理的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10740079
研究機関北海道大学

研究代表者

伊藤 一男  北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20280860)

キーワード表面拡散 / 自由境界問題 / 界面 / 相転移
研究概要

表面拡散流方程式と呼ばれる曲面の発展方程式について研究を行った.この方程式の解が表す曲面は,ある2元系合金の相転移の際に現れる相界面を記述している.表面拡散流方程式は,偏微分方程式のタイプでいうと非線形4階放物型方程式である.4階という性質により,その解の挙動は今まであまり知られていなかった.
儀我氏との共同研究において,私は表面拡散流方程式の局所可能性をL^2のクラス,及び,Holder連続関数のクラスで示した.さらに,解の短時間における質的な挙動として,解曲線が自己交差を引き起こすこと,及び,凸性を失い得ること,を示した.これら2つの挙動は,4階方程式が比較原理をもたないことを反映した結果といえる.実際,2階の曲面の発展方程式である平均曲率流方程式ではこれらの現象は起こり得ないことがわかっている.よって,上記の結果は4階方程式の特質をよく表現しているといえる.しかしながら,まだ知られていない4階特有の挙動は数多く残されている.今後は引き続きこの方程式の未知の側面について研究を行いたい.また,表面拡散流方程式は中間表面拡散流方程式という非局所項を有する方程式と特異極限を通じて結ばれている.これについても研究を進めたい.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 儀我美一: "On pinching of curves moved by surface diffusion" Communications on Applied Analysis. 2. 393-405 (1998)

  • [文献書誌] 儀我美一: "Loss of convexity of simple closed curves moved by surface diffusion" Topics in Nonlinear Analysis. The Herbert Amann Anniversary Volume.35. 305-320 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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