活性因子・抑制因子モデルとよばれるモデルに現れる境界面を記述するステファン型の発展方程式について、定常状態にある球面の存在と安定性について研究を行ないました。得られた結果は以下の通りです。まず球面状の境界面をもつ定常状態は一般に複数個存在することがわかりました。その安定性を調べた結果、それら複数個の定常球は、4種類に分類できることを証明しました。第1のタイプは安定な場合であり、第2のタイプは球対称なある摂動にのみ不安定であるものです。第3のタイプは最不安定なある非対称モードをもつもので、第4のタイプは2重のゼロ固有値をものものです。この結果は化学反応において核の生成と成長に対して知見と示唆を与えるものと思われます。
|