1.スペースVLBI(VSOP)による電波銀河OQ208の観測結果のまとめた。 1998年度に発見した電波銀河OQ208における非対称な自由ー自由吸収の成果を、日本天文学会欧文報告(PASJ)に投稿して掲載された。 2.VSOPによるセイファート銀河3C84の観測結果をまとめた。 セイファート銀河3C84の電波ローブが周囲のプラズマに衝突して還流を形成する様子を明らかにした。この結果は1999年日本天文学会春季年会および国際電波科学連合(U.R.S.I)1999年総会(カナダ・トロント:発表者は井上允)にて報告した。 3.VSOPとVLBA(米国地上VLBI装置)による18天体のサーベイ観測を行った。 18天体のうち観測が終了した9天体について、全てのサンプルでOQ208と同様の自由-自由吸収が検出された。クェーサー型のサンプルでは吸収係数が二つの電波ロープ方向で非対称なのに対して、電波銀河型のサンプルでは対称であることを発見した。この結果は、クェーサーと電波銀河の見かけの違いが視線角によって起こるものである、とする統一モデルを指示している。この結果については、1999年7月の国際研究集会「Lifecycles of radio galaxies」(米国・ボルチモア:発表者は澤田-佐藤聡子)、1999年日本天文学会秋季年会、および1998年度VLBIシンポジウムで報告した。このサンプルの中でセイファート銀河NGC1052については、自由-自由吸収を起こす低温・高密度のプラズマが半径0.5pcの円盤状に中心核を取り巻いていることを明らかにした。この結果については2000年1月の国際研究集会「The VSOP Symposium」(日本・相模原)で発表した。
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