研究概要 |
本件究は、電磁相互作用を通じてハイパー核を生成し、その構造を調べることによりハイペロン・核子間の有効相互作用を調べることを目的としている。また、その素過程である電磁相互作用によるストレンジネス生成を明らかにすることを目指して、γ+n→Λ+K^0反応の実験を行う。 (e,e'K^+)反応によるΛハイパー核分光実験では、エネルギー分解能が600keVとこれまで中間子2次ビームを用いて行われてきた分光実験の2MeVに比べて飛躍的に向上し、さらにΛのスピンの反転した状態も励起できるので、より詳細な分光学的情報を得ることが期待される。本年度は、この実験に用いる錯乱電子スペクトロメータの焦点面位置検出器であるシリコンストリップ検出器(SSD)を製作し、ノイズレベル、時間分解能等が実験上要求される性能を満たしていることを確認した。予定していた核理研での電子ビームを用いたテストはビームタイムのスケジュール上行うことはできなかったが、2000年1月より始まるデータ収集の前に可能な限り行う予定である。また、実験中の放射線ダメージをモニターするためのモニター用のプログラムの開発を行う。 γ+n→Λ+K^0反応は,始状態・終状態とも電荷が関与しないユニークな反応で、γ+p→Λ+K^+反応との比較により、ストレンジネス生成のチャンネルを分離して調べることが可能となる。現在、核理研での12GeVブースター運転の準備状況に合せて、実験に必要な検出の検討及び準備を行っている。
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