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1998 年度 実績報告書

量子電磁気学による束縛状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10740123
研究機関奈良女子大学

研究代表者

松川 真紀子 (仁尾 真紀子)  奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助手 (80283927)

キーワード量子電磁力学 / ミューオン水素原子 / ラムシフト / ミューオニウム / 超微細構造 / QED
研究概要

1, ミューオニウムの超微細構造に関する理論計算
ミューオニウム(正電荷ミューオンと電子の束縛状態)の基底状態における超微細構造へのα(Zα)^3補正項を求めるため、NRQED理論に基づく計算を行なった。ここでαは微細構造定数で、Zは正電荷ミューオンの電荷をZe,Z=1と表したことによる。この項にはさまざまの過程からの寄与があるが、その大半の計算を終えることができた。残りの寄与は、2光子交換過程の相対論的な運動量補正の項からくることも判明し、現在はこの部分の寄与を求めている。また、1997年には最新の実験値が報告され、その誤差に到達するためには、α(Zα)^3補正項を求めれば十分であることが判明した。また、Zが大きいところでのZαの巾展開によらない計算もいくつか報古されており、それらの計算結果の正しさを検証するするためにも、α(Zα)^3の項のみを取り出して求める必要がある。来年度も引続き、この補正項を求めるための計算を行なう予定である。
2, ミューオン水素原子のラムシフトに関する理論計算
ミューオン水素原子(陽子と負電荷ミューオンの束縛状態)の2P-2Sラムシフトへの、電子による6次の真空偏極の寄与を求めることに成功し、理論値の最大誤差を取り除いた。このラムシフトの理論値と推進されている実験の値とあわせると、陽子の荷電半径を正確に決められることになる。陽子の荷電半径は、基本的な量でありながら、その精密測定が難しく、これまで色々な値が共存していた。それが10倍以上の精度で決められることは、素粒子物理だけでなく、原子物理、核物理の発展にとっても重要な寄与である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Kinoshita and M.Nio: "Sixth.Order Vacuum-Polarization Contribution to the Lamb shift of muonic hydrogen" Physical Review Letters. Vol.82 issue.19. (1999)

  • [文献書誌] T.Kinoshita and M.Nio: "PP151-167.“Theory of Muonium HFS"" “Frontior tests of QED and Physics of the Vacuum",ed.by E.Zavattini,D.Bakalov,C.Rizzo,Heron Press,Sofia, 447 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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