研究概要 |
今年度はδ【approximately equal】0.06,0.08,0.16のLaTiO_<3+δ/2>をフローティングゾーン法で作成し、そのホール係数の温度依存性を測定した。δ【approximately equal】0.06の試料はT_N=112Kで反強磁性オーダーを示す金属であるが、室温から温度を下げてゆくとホール係数は徐々に減少し、T_N付近で最小値をとり、それ以下の温度で徐々に増加することを見出した。これはT_N以下で、Spin Density Wave gapがフェルミ面上の一部に開き始め、これによって有効キャリア数が減ったためと考えられる。また、δ【approximately equal】0.08の試料は、反強磁性不安定点に位置するが、ホール係数の温度依存性はほとんど見られなかった。これは2次元系である銅酸化物高温超伝導体に見られた振る舞いとは対照的な振る舞いである。むしろ、常磁性金属相に深く入ったδ【approximately equal】0.16の試料と似た振る舞いであり、ホール係数からも本系と銅酸化物高温超伝導体との違いが明ら また、δ【approximately equal】0.01付近の試料を作成し、中性子散乱の実験を海外の研究者と共同で行った。スピン波の分散から、最近接スピン間の反強磁性相互作用Jは9meV程度と見積もられた。また、ゾーンセンターにおけるスピン波のギャップは4.5meVと、かなり大きな値
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