研究概要 |
地殻の不均質性が地震波の伝播異常に与える影響を3次元数値シミュレーションをもとに考察した。過去の日本および諸外国の大地震時に見られた特異な深度分布異常の原因を,地殻・上部マントルにおける波動伝播異常の観点から評価した。日本列島および北米大陸(メキシコ周辺)の典型的な地殻構造をモデル化し,これをもとに近・中距離の伝播経路における地震波伝播の特性と距離減衰とを調査した。1985年メキシコミチョアカン地震と1995年兵庫県南部地震の3次元数値シミュレーションを実施し,地表に現れた特異な大地震被害域の生成メカニズムを明らかにした。また,日本周辺で観測される異常震域現象について3次元計算をもとにその成因を再検討した。
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