• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

変換波・反射波を用いた上部・下部マントルのS波偏向異方性領域の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10740215
研究機関東京大学

研究代表者

飯高 隆  東京大学, 地震研究所, 助手 (00221747)

キーワード偏向異方性 / 変換波 / 反射波 / マントル
研究概要

本研究は、地球内部に存在するさまざまな不連続面における変換波や反射波のS波偏向異方性を調べることによって、これまでほとんど議論がなされていなかった異方性の深さ分布を明らかにすることを目的とするものである。
平成10年度では、アジア東部特に中国大陸を研究対象地域として、世界中に展開されているIRISのデータからSKS,P-660s,P-SmSの波形データの収集を行い、さらにそれらのデータを用いてS波偏向異方性の解析をおこなった。
SKS波は、外核と下部マントルの境界面でP波からS波に変換された波であり、SKS波の解析によって得られた異方性は、マントルから観測点までの積算された異方性の値である。つまり、D″層、下部マントル、上部マントル、地殻、すべての層の異方性の積算値である。得られた積算値の異方性から、各層による異方性の値を求めるために、まず、P-660s波の解析を行った。P-660s波は、660km不連続面でのP-S変換波(P波からS波への変換波)であり、P-660s波の偏向異方性を観測することによって、上部マントルと地殻の異方性の積算値を知ることができる。そのため、SKSの異方性の値からP-660sの値を差し引くことによって、下部マントル(D″域を含む)の異方性を推定できる。この手法を用いて解析を行った結果、中国北部における上部マントルと地殻の異方性の積算値は0.2sec程度で、下部マントルの異方性の値は、0.4sec程度であることがわかった。また、その下部マントルで検出された0.4sec程度のS波偏向異方性が、D″層に存在していると仮定すると0.5%の異方性で説明でき、下部マントル全体にあると仮定すると0.08%の異方性で説明できることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Iidaka,T.and F.Niu: "Evidence for an anisotropic lower mantle beneath eastern Asia: Comparison of shear-wave splitting data of SKS and P660s" Geophysical Research Letters. 25. 675-678 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi