(1)磁気圏-電離圏-中性大気層-固体地球電磁結合系での磁力線振動の固有値問題を解き、以下の結論を得た。通常、南北電離層を境界とする磁力線振動は、その固有周期については磁力線の長さ、磁場の強さ、プラズマ密度といった磁場圏側の状態のみによって決定され、電離層は振動の減衰定数に寄与すると理解されていたが、本研究に於いて、電離層誘導効果を磁力線振動に繰り込んだところ、磁力線振動の固有周期も電離層の伝導度とともに変動することを理論的に発見した。 この研究は、アメリカ地球物理学連合学会誌に掲載された。 (2)(1)の研究で見い出された磁力線振動の固有周期変動は、電離層誘導効果が、波の入反射過程に繰り込まれた結果、必然的に起こる物理的帰結である。本研究では、電離層誘導効果がもたらす様々な物理効果、またその簡明な記述方法を提示し、これまで磁気圏-電離圏結合系の研究に於いて無視されてきた発散ホール電流の重要性を明らかにした。 この研究は、アメリカ地球物理学連合学会誌に掲載が決定している。
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