• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

ダイアモンドセルを用いたマントルかんらん岩の融解実験

研究課題

研究課題/領域番号 10740249
研究機関東京工業大学

研究代表者

廣瀬 敬  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50270921)

キーワードダイヤモンドセル / 超高圧 / マントルかんらん岩
研究概要

本年度もひきつづき東大物性研の八木研究室にて、ダイアモンドセルを用いた融解実験を試みた。試料として、天然のマントルかんらん岩の組成をもつゲルを用いた。試料をダイアモンドセル中に封入し、アルミナを圧媒体として用いて、50GPaを超える圧力まで加圧した。その後、NdYAGレーザーによって、試料が融解するまで加熱した。加熱中レーザーの出力を徐々に上げていくと、あるところで急激に温度が上昇するのが観察され、これをもって試料の融解と認定することにした。これは試料が融解し、レーザー照射部の周辺へ移動したことを反映していると考えられる。温度は加熱試料から発せられる熱放射スペクトルを測光し、プランクの輻射の式から温度を計算した。
今回の測定では、加熱された試料の100*100ミクロンの領域から発せられる熱放射スペクトルを用いた。そのため得られる温度は、レーザーの照射面積に比べて、比較的広い領域の平均的なものであった。NdYAGレーザーによって加熱される領域には一般に大きな温度勾配が存在することが知られている。そのため今回得られた温度は文献値よりも有意に低い値となった。今後、より空間分解能を上げた温度測定が必要となろう。
また本研究ではマルチアンビル高圧発生装置を用いたマントル物質の融点の測定も行った。これまで試料部に発生する大きな温度勾配のため、ソリダス温度は正確に決定されているとは言い難かった。さらに本研究ではソリダス温度への水の影響についても定量的に見積もった。コマチアイトの含水量から実際に太古代のマントル中には約0.5%の水が含まれていたと考えられる。今回の実験結果は、このような少量の水の存在は大きな融解量の増加をもたらさない。すなわちコマチアイトの生成温度は現在のマントルの温度と比べてかなり高かったことを示す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Hirose,Y.Fei,S.Ono,T.Yagi,K.Funakoshi: "The role of majorite in dynamics at the 660-km discontinuity"Terra Nostra. 99/7. 38-40 (1999)

  • [文献書誌] J.Li,Y.Fei,K.Hirose,M.Mao: "High pressure experiments of Fe-S system constraints on the nature of the Earth's core"EOS. 80. F939 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi