• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

ダイレクト・アプイニシオ・ダイナミックス法によるイオン-分子反応の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10740261
研究機関北海道大学

研究代表者

田地川 浩人  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10207045)

キーワードダイレクト・ダイナミックス法 / 反応ダイナミックス / 衝突過程 / イオン・分子反応 / プロトン移動 / 理論
研究概要

本研究では、イオン分子反応、特にプロトン移動反応における反応生成物の振動・回転量子数分布を支配している因子を、分子軌道法およびダイレクト・ダイナミックス法により明らかにすることを目的した。さらにこれまでに実験が行われていない反応系について、振動・回転状態分布を理論的に予測し、実験計画の指針となるモデルを構築することが本研究の目標である。本年度、研究の対象とした反応系は、プロトン移動反応
H_2O^++H_2O→H_3O^++OH(I)
NH_3^++NH_3→NH_2+NH_4^+(II)
HCl^++HCl→H_2Cl^++Cl(III)
である。さらに、ダイナミックスの詳細を明らかにするため、これらの中性ダイマーからのイオン化に伴うダイナミックスを同様な方法で取り扱い、量子状態分布の特異性についての原因を明らかにした。このダイマーからの反応は、衝突配向を規定したダイナミックスを取り扱うことに相当し、全反応と比較することよりダイナミックスについての詳細を議論した。反応Iでは、2分子衝突反応における生成物の並進運動エネルギー分布が、2つの分布の重ね合わせで表されるのに対して、ダイマーからのイオン化によるプロトン移動反応は、1つの分布であった。これは、2分子衝突ではあらゆる角度からランダムに衝突するのに対して、ダイマーからでは配向が規定されており、1つの衝突の分布飲みになるためである。IIおよびIIIの反応においても同様な計算結果が示された。以上のように、本研究で開発したダイレクト・アブイニシオ・ダイナミックス法により、多次元系の化学反応の詳細が議論できた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hiroto Tachikawa: "Electronic- to- Vibrational and -Rotational Energy Transfer in S(^1D)+CO quenching" J.Chem.Phys.108. 3966-3972 (1998)

  • [文献書誌] Hiroto Tachikawa: "Direct ab-initio dynamics Study on the finite temperature effects on the hyperfine coupling constants of a weakly bonded complex." J.Phys.Chem.A.102. 7065-7069 (1998)

  • [文献書誌] Hiroto Tachikawa: "Dynamics of the Ionization Processes of Benzene-H_2O Clusters: A direct ab-initio Dynamics Study" J.Phys.Chem.A.102. 8648-8656 (1998)

  • [文献書誌] Hiroto Tachikawa: "Photoreaction dynamics of permethylcyclosilane(Me_2Si)_6: A direct dynamics study" J.Organometal.Chem.555. 161-166 (1998)

  • [文献書誌] Hiroto Tachikawa: "Solvation dynamics of fluorenone radical anion by methanol: Direct ab-initio dynamics Study." J.Mol.Struct.(THEOCHEM). 427. 191-198 (1998)

  • [文献書誌] Hiroto Tachikawa: "Formation Mechanism of CCl_4^- Anion in Condensed Phase: A direct ab-initio dynamics study" Int.J.Mass Spectrom.177. 17-21 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi