• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

酸化還元活性なサーモクロミックエチレン型分子の開発と応答分子系への展開

研究課題

研究課題/領域番号 10740284
研究機関東北大学

研究代表者

福島 孝典  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70281970)

キーワード酸化還元系 / 電子供与体 / チオフェン / チオピラン / ピエゾクロミズム / サーモクロミズム / 分子スイッチ / ジフェノキノン
研究概要

本研究では酸化還元状態を安定に与える新規なovercrowded ethylene類を合成し,中性状態間及び中性状態とイオン化状態間の相互変換により誘起される構造変化や電子状態の変化に基づく,分子スイッチ等の応答分子系を構築することを目的とした.本年度に於いては,種々の官能基の導入が可能である電子供与性分子として、チオフェンが縮合した4,4'-ビチアピラニリデン誘導体の合成を検討した.ジチエノチオピランから誘導されるチオピリリウム塩,ケトン,チオケトン,ジブロモ体を合成し,様々な条件下でのカップリング反応を試みたが目的化合物は得られなかった.一方,チオピラン部を酸化してスルホンとした後、4位をチオケトンとし,亜リン酸トリエチルによるカップリング反応を行ったところ収率良く二量体を与えた.しかしながら,スルホンからスルフィドへの還元が困難であり,現在のところ目的とする4,4'-ビチアピラニリデン誘導体を合成するには至っていない.そこで新たに,チオピラン部の硫黄原子の代わりに1,3-ジチオール-2-イリデン基を導入することを目的に,その前駆体となるチオフェンが縮合したジフェノキノン誘導体の合成を検討した.この新規ジフェノキノン誘導体は,対応するフェノールの酸化的カップリングと続く脱水素反応により得られた.興味深いことに,この分子の電子スペクトルや酸化還元挙動を調べた結果,類縁体であるビアントロンとは明らかに異なる特徴を有することが見い出された.従って,更なる官能基化を施すことなどにより新しい物性の発現が期待される.現在目的化合物への誘導とともに,このジフェノキノン誘導体の構造と性質について検討を行っている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takanori Suzuki,Takanori Fukushima, et al.: "Supramolecular Aggregation of m-Nitrobenzoic Acid by C-H・・O and O-H・・O Hydrogen Bondings in the Crystalline Charge-Transfer Complexes with Aromatic Hydrocarbons"The Journal of Organic Chemistry. 64. 7107-7113 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi