• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

新規有機ケイ素二重結合共役系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 10740298
研究機関東京理科大学

研究代表者

三治 敬信  東京理科大学, 総合研究所, 助手 (00287484)

キーワードシリレン / ジシレン / テトラシラブタジエン / 熱分解 / ビスシリレン / シリル転位
研究概要

分子内の適当な位置に二カ所シリレン(ビスシリレン)を発生させることさえ出来ればその後1,2-シリル転位が段階的に起きテトラシラブタジエンが生成するものと考えられる。本年度はヘキサメチルテトラシラン-1,1,4,4-テトライル(1.4-ビスシリレン)を発生させ、1,2-シリル転位によりテトラシラ1,3-ブタジエンの生成を検討した。
1,4-ビスシリレンの前駆体として7-シラノルポルナジエン誘導体を合成し、封管中、溶媒としてベンゼンを用い、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン存在下、220℃で2時間熱分解反応させた。反応後、1,4-ジフェニルナフタレンとともに、1,4-ビスシリレン、シリル転位が起きたジシレニウムシリレン、およびさらにもう一度シリル転位が起きたテトラシラ-1,3-ブタジエンの捕捉生成物の生成を確認した。また、熱分解反応の初期段階に1,4.ビスシリレンが生成しているのか確認するため、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン存在下、400゚Cで窒素気流下における1の熱分解反応を低い転換率で行った。この場合、反応後、1,4-ビスシリレンの捕捉生成物である6のみが観測された。このことから1の熱分解ではまず1,4-ビスシリレンが生成し、これを経由してシリル転位が進行していると考えてよい。
またこのように段階的にシリル転位しているとすれば、それらの捕捉生成物の生成比は捕捉剤であるジエン濃度に大きく依存しているはずである。実際、熱分解生成物のジエン濃度依存性を確かめたところ、ジエン濃度を低くすると、テトラシラ-1,3-ブタジエンの捕捉生成物の生成比が大きくなり、ジエン濃度を高くした場合では、ビスシリレンの捕捉生成物6の生成比が大きくなった。以上の結果から、1,4-ビスシリレンからの段階的なシリル転位によってテトラシラ-1,3-ブタジエンの熱的生成を確認することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Sanji: "Highly Selective Mono-and Polyallylation of Polychlorosilanes and Disilanes" Organometallics. 17. 5068-5071 (1998)

  • [文献書誌] T.Sanji: "Silole-Incorporated Polysilanes" J.Am.Chem.Soc.120. 4552-4553 (1998)

  • [文献書誌] T.Hoshi: "Synthesis of Disilacycloalkenes by Ruthenium Catalyzed Ting-Closing Metathesis (RCM) Reaction of a, W-Bis(allydimethylsilyl)-Substituted Compounds" Bull.Chem.Soc.Jpn.72. in press. (1999)

  • [文献書誌] T.Hoshi: "Molecular structure and photochemical Reactions of Trimethylsilylmethyl-Substituted Masked Disilene" Chem.Lett.427-428 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi