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1999 年度 実績報告書

新世代抗菌剤開発を目指した水溶性ビスマス錯体の合成

研究課題

研究課題/領域番号 10740306
研究機関琉球大学

研究代表者

安里 英治  琉球大学, 理学部, 助教授 (10222580)

キーワード水溶性ビスマス錯体 / ポリアミノカルボン酸 / X線結晶構造解析 / 配位子交換 / 速度論
研究概要

1) 一連「(ポリアミノ)ポリカルボン酸系多座配位子」を用いてビスマス錯体を合成し、水溶液中の錯形成挙動をNMR法により詳細に検討した。同様なキレート骨格を有する2つの配位子ニトリトトリ酢酸(H_3NTA)と2-ヒドロキシルエチルN-イミノジ酢酸(H_3heida)からそれぞれ新化合物が得られ、錯体K_3[Bi(NTA)_2](1)と[Bi(heida)_2]・3H_2O(2)について、単結晶X線構造解析によりその分子・結晶構造を決定する事に成功した。
2) 錯体1はpH4〜10の範囲で[Bi(NTA)_2]^<3+>として安定に存在し加水分解を起こさないが、低pH(<pH4)と高pH(>pH10)ではそれぞれ配位子脱離と水由来のOH^-配位にともなう加水分解過程が確認された。一方、錯体2の溶存化学種についてpH依存性が見られた。pH3〜6では[Bi(Hheida)_2]^-、pH6〜8にかけて2つのheida配位子から段階的にプロトンが脱離し、[Bi(Hheida)(heida)]^<2->、[Bi(heida)_2]^<3->を経て、pH10以上でOH^-(水由来)配位にともなう加水分解過程が確認された。
3) 両錯体についての配位子交換過程における速度論的研究を行った。錯体1については、pH5〜9にかけて配位子の交換過程に関するパラメーター(ΔH^≠=48.4kJmol^<-1>、ΔS≠-65.2JK^<-1>、速度定数k=8.0s^<-1>at298K)が得られ、交換速度に大きなpH依存性は認められなかったが、錯体2においては交換速度に著しいpH依存性が確認された。
4) 水溶性ビスマス錯体について黄色ブドウ球菌を用いた抗菌活性試験を行った結果、多くのビスマス錯体に抗菌活性が確認されたものの配位子の違いによる有意の差は認められなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Eiji Asato,Koji Kamamuta,Reika Imade,and Mikio Yamasaki: "Solution Structures and Ligand Exchange Dynamics of Bismuth(III) Completes with Nitrilotriacetic Acid and N-(2-Hydroxyethyl)iminodiacetic Acid"Inorganic Reaction Mechanisms. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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